昨年の敬老の日、娘が祖父母に絵本の読み聞かせをしてくれた時の、おじいちゃんおばあちゃんの嬉しそうな顔は今でも忘れられません。
「ありがとう、上手に読めたね」と涙ぐんでいる祖母の姿を見て、5歳の娘を育てる私も思わずもらい泣きしてしまいました。
絵本は世代を超えて心を繋ぐ魔法のようなツールです。特に5歳という年齢は、ひらがなが読めるようになり、感情豊かに表現できる素晴らしい時期。この時期の子どもたちが祖父母と一緒に絵本を楽しむことで、きっと特別な思い出が生まれるはずです。
今回は、これまで娘と一緒に100冊以上の絵本を読んできた経験をもとに、敬老の日にぴったりの絵本をご紹介します。
実際に我が家で読んでみて祖父母に喜んでもらえた絵本や、5歳児の反応が良かった作品を厳選しました。
きっとあなたのお子さんと祖父母の素敵な時間作りのお役に立てますように。
敬老の日に読みたい絵本の魅力
絵本がもたらすコミュニケーションの力
世代を超えた共通体験の創出 絵本は年齢に関係なく楽しめる素晴らしいコミュニケーションツールです。私が実際に体験したのですが、娘がおじいちゃんに『はらぺこあおむし』を読んであげた時、おじいちゃんも一緒に「げつようび、げつようび…」と歌い始めて、3世代で大合唱になったことがあります。
感情の共有と絆の深まり 絵本を一緒に読むことで、同じ場面で笑ったり、ドキドキしたり、時には涙を流したりする共通体験ができます。我が家では『おおきなかぶ』を読んだ後、みんなで「うんとこしょ、どっこいしょ」と言いながらお互いの手を引っ張り合って、大笑いしたことがあります。
5歳児の成長を見せる絶好の機会 5歳になると、文字を読めるようになったり、感情豊かに表現できるようになります。普段あまり会えない祖父母に、子どもの成長した姿を見せられる貴重な機会でもあります。
安心できる環境での自然な交流 絵本を媒介にすることで、子どもも祖父母も自然体で交流できます。「今度は○○の絵本を読もうね」「この絵本知ってる?」といった会話から、自然なコミュニケーションが生まれます。
年齢に応じた絵本の選び方
5歳児の発達段階を理解する 5歳児は以下のような特徴があります:
- ひらがなが読めるようになる
- 簡単な漢字も理解し始める
- ストーリーの流れを理解できる
- 感情移入して物語を楽しめる
- 道徳的な内容も理解できる
祖父母の年代に配慮した選び方
- 文字の大きさ:少し大きめの文字の絵本を選ぶ
- 内容の複雑さ:シンプルで分かりやすいストーリー
- 懐かしさ:昔からある定番の絵本も喜ばれる
- 読み聞かせ時間:15-20分程度で読み終わる長さ
我が家で実践している選び方のコツ
- 事前にお子さんと一緒に図書館で試し読み
- 祖父母の好みや趣味をリサーチ
- 季節感のある絵本を取り入れる
- 家族の思い出に関連する内容を選ぶ
絵本の中のユーモアがもたらす元気
笑いが生む健康効果 笑うことは健康に良い影響を与えることが科学的にも証明されています。ユーモアのある絵本を一緒に読むことで、祖父母も自然と笑顔になり、心身ともに元気になってもらえます。
5歳児が喜ぶユーモア要素
- 繰り返しのリズムが楽しい作品
- 意外な展開で「えー!」と驚ける内容
- 動物が人間のようなことをする設定
- 言葉遊びや駄洒落が入った作品
実際に我が家で大受けした絵本 『おならうた』(谷川俊太郎作)は、おじいちゃんと娘が一緒に「ぷ」「ぷう」「ぷうぷう」と読んで、二人とも大爆笑していました。こういうシンプルなユーモアが、世代を超えて楽しめるんですね。
敬老の日の特別な思い出作り
年に一度の特別な読み聞かせタイム 普段は親が読み聞かせをしてくれる立場の子どもが、敬老の日には「読み聞かせをする側」になる。この役割の逆転が、とても特別な体験になります。
写真や動画で記録に残す 読み聞かせの様子を写真や動画で記録しておくと、後から見返した時に素敵な思い出として残ります。我が家では毎年敬老の日の読み聞かせアルバムを作っています。
絵本をきっかけにした会話の広がり 絵本を読んだ後の「どのキャラクターが好きだった?」「おじいちゃんが子どもの頃はどんな本を読んでた?」といった会話から、家族の歴史や価値観を共有できる貴重な時間になります。
おすすめの絵本ランキング
おばあちゃんが喜ぶ物語
1位:『おばあちゃんのひなまつり』(野村たかあき作・絵) 対象年齢:4-6歳 / 読み聞かせ時間:約10分
おばあちゃんと孫娘の心温まる交流を描いた作品。季節感もあり、女の子の成長を見守るおばあちゃんの愛情が丁寧に描かれています。
おすすめポイント:
- おばあちゃんの視点で描かれた優しい物語
- 伝統行事を大切にする心が学べる
- 5歳の女の子が主人公で感情移入しやすい
2位:『いつもいっしょに』(こんのひとみ作・いもとようこ絵) 対象年齢:3-6歳 / 読み聞かせ時間:約8分
おばあちゃんと孫の絆を描いた心温まる絵本。いもとようこさんの温かい絵柄が、家族の愛情を優しく表現しています。
実体験レポート: 娘がこの絵本を読んだ時、おばあちゃんが「私も○○ちゃんとずっと一緒にいたいよ」と言って抱きしめてくれました。とても感動的なシーンでした。
3位:『おばあちゃんのおもい』(山本省三作・はまのゆか絵) 対象年齢:5-8歳 / 読み聞かせ時間:約12分
認知症のおばあちゃんと家族の愛を描いた深い内容の絵本。5歳でも理解できるよう優しく描かれています。
おじいちゃんとの絆を深める絵本
1:『おじいちゃんの木』(内田麟太郎作・村上康成絵) 対象年齢:4-7歳 / 読み聞かせ時間:約10分
おじいちゃんの人生と知恵を木に例えて描いた美しい作品。男の子でも女の子でも楽しめる内容です。
おすすめポイント:
- おじいちゃんの人生経験への敬意が学べる
- 自然の大切さも同時に学べる
- 村上康成さんの美しい絵が魅力的
2:『おじいちゃんは106さい』(長谷川義史作・絵) 対象年齢:5-8歳 / 読み聞かせ時間:約15分
元気なおじいちゃんの日常を描いたユーモラスな作品。長生きすることの素晴らしさが伝わります。
認知症を考慮した絵本の選び方
認知症の祖父母との読み聞かせのポイント
- 短時間で読み終わる絵本:集中力を考慮して10分以内
- シンプルな内容:複雑なストーリーは避ける
- 繰り返しの要素:同じフレーズが出てくる絵本
- 懐かしい内容:昔の記憶を呼び起こす内容
特におすすめの絵本
『だるまさんシリーズ』(かがくいひろし作) シンプルな動きと音が楽しい 「だるまさんが」の繰り返しが心地よく、一緒に体を動かしながら楽しめます。
『はらぺこあおむし』(エリック・カール作) 色彩豊かで視覚的に楽しい 美しい色彩と単純明快なストーリーで、認知症の方でも最後まで楽しめます。
『おおきなかぶ』(A.トルストイ再話・佐藤忠良絵) 参加型で一体感が生まれる 「うんとこしょ、どっこいしょ」の掛け声を一緒に言えるので、一体感が生まれます。
孫娘が読むべき5歳向けの絵本
女の子の成長を祝う絵本
『ちょっとだけ』(瀧村有子作・鈴木永子絵) 対象年齢:4-6歳 お姉ちゃんになった女の子の成長を描いた感動作。5歳女子の心に寄り添う内容です。
『わたしのワンピース』(にしまきかやこ作・絵) 対象年齢:3-6歳 女の子が大好きな「おしゃれ」をテーマにした楽しい絵本。想像力が膨らみます。
『はなをくんくん』(ルース・クラウス文・マーク・シーモント絵) 対象年齢:4-7歳 春の訪れを感じる美しい絵本。季節感を大切にする心が育ちます。
5歳女子の読み聞かせのコツ
- 感情を込めて読む練習を事前にする
- 絵を見せながらゆっくりと読む
- 読み終わった後の感想タイムを大切にする
家族で楽しむ読み聞かせの絵本
みんなで参加できる絵本
『ぐりとぐら』シリーズ(なかがわりえこ作・おおむらゆりこ絵) 全世代に愛される定番 おじいちゃんおばあちゃんの世代も知っている定番絵本。みんなで「ぐりとぐら」を歌えます。
『11ぴきのねこ』シリーズ(馬場のぼる作・絵) ユーモアたっぷりの冒険物語 11匹のねこたちの愛らしい冒険に、家族みんなで笑えます。
『てぶくろ』(エウゲーニー・M・ラチョフ絵) 参加型の楽しさ 次々と動物が出てくる展開に、みんなでワクワクできます。
読み聞かせの進行のコツ
- 導入:「今日はみんなで楽しい絵本を読もうね」
- 役割分担:ページめくりはおじいちゃん、効果音はおばあちゃんなど
- 感想共有:読み終わったらみんなで感想を言い合う
敬老の日にぴったりのプレゼントアイデア
絵本と一緒に贈りたいアイテム
読み聞かせを盛り上げるグッズ
1. ブックスタンド 価格帯:1,500円〜3,000円 祖父母が楽な姿勢で絵本を読めるよう、角度調整ができるブックスタンドをプレゼント。
2. 読書用ライト 価格帯:2,000円〜5,000円 目に優しいLEDライトで、夕方や夜の読み聞かせタイムも快適に。
3. 拡大鏡付きしおり 価格帯:500円〜1,500円 小さな文字も見やすくなる便利アイテム。実用的で喜ばれます。
絵本ギフトセットのアイデア
「思い出の絵本セット」
- 親世代が子どもの頃に読んだ定番絵本3冊
- 手書きメッセージカード
- 家族写真を挟めるブックマーク
「季節の絵本セット」
- 秋をテーマにした絵本2-3冊
- 落ち葉の栞(手作り)
- 秋の味覚(りんごやお芋)
記録に残すアイテム
読み聞かせ記録ノート
- 読んだ絵本のタイトルと日付を記録
- 祖父母や子どもの感想を書き込み
- 写真を貼れるスペース
音声録音機能付きフォトフレーム 価格帯:3,000円〜8,000円 読み聞かせの声を録音して、いつでも聞き返せる素敵なプレゼント。
手作り絵本製作のアイデア
「わたしの家族」オリジナル絵本
材料
- スケッチブック(A4サイズ)
- 色鉛筆、クレヨン
- 家族の写真
- のりやテープ
作り方
- 表紙作り:「○○ちゃんの家族のお話」というタイトル
- 自己紹介ページ:「わたしは○歳の○○です」
- 家族紹介ページ:おじいちゃん、おばあちゃんの紹介
- 思い出ページ:一緒に過ごした楽しい思い出
- ありがとうページ:感謝の気持ちを絵と文字で表現
実際に作った体験談 娘と一緒に作った手作り絵本をおばあちゃんにプレゼントした時、「世界で一つだけの宝物ね」と涙を流して喜んでくれました。既製品の絵本とは違う特別な価値があります。
「おじいちゃんおばあちゃんの昔話」絵本
制作プロセス
- 聞き取り:祖父母の子ども時代の話を聞く
- 構成:話を絵本のストーリーにまとめる
- イラスト:子どもが想像して絵を描く
- 製本:手作りで仕上げる
この活動を通じて、家族の歴史を知ることができ、世代を超えた絆が深まります。
絵本を使った敬老の日の行事
「家族読み聞かせ発表会」の開催
準備期間:1-2週間前から
- 絵本選び:子どもと一緒に図書館で絵本を選ぶ
- 練習:毎日10分程度の読み聞かせ練習
- 舞台作り:リビングに簡単なステージを設営
- プログラム作成:手作りの発表会プログラムを作成
当日の流れ
- 開会の挨拶:「今日はおじいちゃんおばあちゃんに感謝の気持ちを込めて」
- 第1部:子ども→祖父母への読み聞かせ
- 休憩:お茶タイム
- 第2部:祖父母→子どもへの昔話
- 写真撮影:みんなで記念撮影
「絵本の世界を再現しよう」企画
『おおきなかぶ』の再現
- 段ボールで大きなかぶを作成
- 家族みんなで「うんとこしょ、どっこいしょ」
- 最後はみんなでかぶを使った料理を楽しむ
『はらぺこあおむし』の再現
- あおむしの衣装を手作り
- 絵本に出てくる食べ物を実際に用意
- 蝶になる瞬間を演技で表現
「3世代読書会」の開催
月1回の定期開催
- 毎月敬老の日に近い日曜日に開催
- テーマを決めて関連する絵本を読む
- 読後は感想を共有し合う
年間テーマ例
- 1月:「新年・初夢」
- 2月:「鬼・節分」
- 3月:「春・花」
- 4月:「入学・新生活」
このような定期的な活動により、絵本を通じた家族のコミュニケーションが日常に根付きます。
敬老の日「おはなし劇場」
劇場風の演出
- 手作りチケットを作成
- 「本日の演目」を手書きのポスターで告知
- 簡単な衣装や小道具で雰囲気作り
参加型の工夫
- 祖父母に「観客席」ではなく「審査員席」に座ってもらう
- 途中で手拍子やコーラスの参加タイムを設ける
- 終了後に「審査員コメント」をもらう
まとめ
5歳という年齢は、絵本を通じて祖父母との特別な絆を築くのに最適な時期です。文字が読めるようになり、感情豊かに表現できるこの時期だからこそ、敬老の日の読み聞かせは格別な意味を持ちます。
絵本選びの重要ポイント
- 5歳児の発達段階に適した内容
- 祖父母の体調や状況への配慮
- 家族みんなで楽しめる要素
- 感情を共有できるストーリー
- 適切な読み聞かせ時間(10-15分)
実践して分かった効果
- 世代を超えたコミュニケーション力の向上
- 子どもの読解力と表現力の成長
- 家族の絆の深まり
- 祖父母の健康と笑顔の増加
- 家族全体の年中行事への参加意識向上
これから実践したい方へのアドバイス 完璧を求めすぎず、「一緒に楽しむ」ことを最優先にしてください。子どもが途中で飽きてしまっても、祖父母が途中で眠ってしまっても、それもまた素敵な思い出の一部です。
絵本は単なる読み物ではなく、家族の愛情を伝える大切なツールです。今年の敬老の日は、お子さんと一緒に特別な絵本タイムを計画してみませんか?きっと家族みんなにとって忘れられない素敵な一日になるはずです。
最後に、どの絵本を選んでも、そこに込められた愛情こそが最も大切な「ギフト」だということを忘れないでくださいね。素敵な敬老の日をお過ごしください!
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